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肥料を与えることで成立してきた農業
チッソ、リンサン、カリをご存知ですか?
この肥料の3要素を作物に与え急速成長させ、早期収穫、早期出荷を可能にすることで、農家経済の安定に貢献してきました。
3要素が含まれた肥料が化学肥料であり有機肥料ですが、中でもチッソが作物の生長に重要な役割を担ってきました。
チッソ肥料の発明
チッソは大気中の8割を占めますが、人間も植物もそれを直接利用できません。1901年、ハーバーとボッシュの両化学者により、大気中のチッソを固定する方法が発明されました。20世紀最大の発明と言われ、これがチッソ肥料の始まりです。
チッソを始めとした化学肥料と成長を補助する
農薬の使用により、作物の急速な成長と収量の増大が可能となり、
世界的な食料生産の実現と共に、農家の収益向上に
大きく貢献してきました。しかし、良いことばかりのチッソ肥料にも
悪影響があるのです。
地球温暖化に対しては
化学肥料の大量使用により飛散した
チッソは、空気中の酸素に反応して
亜酸化窒素となります。
これがオゾン層破壊物質として、
国際的に極めて危険視されています。
生態系に対しては
有機物を含めたチッソが、
河川に海に流れ込むことでの養分過多が
原因で、プランクトンが異常発生して
海を赤く染める、赤潮が発生します。
これが魚介類の大量死を引き起こし、
問題となっています。
人の健康に対しては
植物はチッソを硝酸態チッソという
酸化物で吸収しますが、これが特に
成長期の作物に多量に蓄積されることが
あります。この硝酸態チッソは、
血液中のヘモグロビンを破壊する作用が
あります。ヘモグロビンは酸素を
運搬する役目なので、機能が低下すると
酸欠状態を招きます。
赤ちゃんの「ブルーベビー症候群」と
呼ばれるこの症状は、世界中に報告例が
あり注意が必要とされています。
私たちの健康と持続可能な地球環境に向けて、
それに逆行する農業であってはなりません。
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